なろう小説の探し方、読み方
なろう小説の読み方がいまいちわかっていないので先駆者に聞きたいところなんだが、なろう小説の先駆者は特に苦労としていないらしくそういう記事は見つからないなあ。
— がれ (@Galle02) 2018年1月5日
こんなツイートを目にしたので、なろうで自分に合う作品を探すやり方とか、そもそもなろう小説の特徴及びそれに応じた読み方とか、自分の経験をもとに雑に書きます。
※元ツイートの方は、なろう小説というか、正確にはなろう出身の書籍化作品の一巻を読み漁っていたけど読み方がよくわからないみたいな感じだったっぽいんですが、そこについても最後らへんにちょろっと書きます。
おれは紙で読んでるんですが、一巻を読み漁っていたら、例えば「転生したらスライムだった件」とか「金色の文字使い」とか、読むとくっそどうでもいい存在を苦労なく倒した! 終わった!! で、え、ここで終わるのと戸惑います。どれぐらいを基準にして付き合えばいいんだろう……。
— がれ (@Galle02) 2018年1月5日
※自分はあくまでいち読み専で、記事に書いてることもわりと適当です。
そこらへんはよろしくお願いします。
目次
自分に合うなろう小説の探し方
web小説というか、小説家になろう初心者の方向けに、楽しめるなろう小説を探すにあたってオススメ度の高い方法から順に紹介していきます。
他の人のオススメを聞く
たぶんこれが最強です。
誰のオススメでもいいというわけではもちろんなく、自分の好みをある程度把握してくれている人とか、「この人は好みが似てる」「この人の感性は信用できる」など思ってる相手とか、そういう誰かさんを見つけると捗ります。
そのオススメ作品について詳しい説明を受けられたり、いろいろ質問できたり、ぶっちゃけ悪い部分、自分が引っかかる可能性がある部分を推測して教えてくれたりするわかりみのある相手だとよりグッドです。
ただ、一つ注意がありまして。
「オススメしてもらったんだから読まないと」とか、「ちょっと読んで合わなかったけど、オススメしてくれた人に悪いから区切りの付くところまでは読まないと」とか、オススメを聞いたことによって気負ってしまうというか、それを読まなくてはという義務感みたいなのを抱いてしまうタイプの方は、このやり方の優先度は下げた方が良いかもしれません。
おススメされようがなんだろうが、読みたいときに読みたいものを読んで、気が進まなければ読まなければいいのです(そこのところも了解した上でオススメしてくれる人がいるなら、たぶん貴重です)。
レビューや紹介をしているサイト等を見る
他の人のオススメを聞く、に準じるものです。
これはオススメを「あなたのために」やっているわけではたぶんないので、上で述べたような気負いや義務感とは無縁な分、気楽につまみ食いしやすいかと思います。
ただ、その手のレビューや紹介をしているサイトをやっている人というのは、私も含めて基本的にはweb小説中毒者なので、初心者からすると感覚の違いがあるかもしれないというのは念頭に置いた方が良いかもしれません。
レビューや紹介をしているその個人の感覚や好みが、自分とどのくらい近いかを推し量りつつ、参考にしたりしなかったりと利用させていただきましょう。
とはいえ、そんなサイトどこにあるんだという方もいると思うので、ひとまず自分が参考にしたりしなかったりしてるサイトさんを以下に挙げておきます。
スコ速@ネット小説まとめ
「小説家になろう」レビューブログ
OWL BOOK
まろでぃの徒然なる雑記@Web小説紹介
無料小説お勧め - 【小説家になろう】投稿サイト小説紹介
(あと、実はこのブログもレビュー及び紹介ブログに分類されるものなので、せっかくなので記事宣伝させてください)
個人的なろう作品フルコース - なろう読み専のメモ帳
2017年に始まったなろう&ノクターンおすすめ作品 - なろう読み専のメモ帳
こちらも気が向いたらよろしくお願いします。
自分でランキングを見て探す
小説家になろうのランキングを見ましょう。
……と一言で終わってしまいたいのですが、小説家になろうのランキング構造がというかサイト構造からしてなんか複雑なので、とりあえずどんな感じなのか示します。
ランキングページ
-総合ランキング
-異世界転生/転移
-恋愛
-ファンタジー
-文芸・SF・その他
-ジャンル別
-異世界〔恋愛〕
-現実世界〔恋愛〕
-ハイファンタジー〔ファンタジー〕
-ローファンタジー〔ファンタジー〕
-純文学〔文芸〕
-ヒューマンドラマ〔文芸〕
-歴史〔文芸〕
-推理〔文芸〕
-ホラー〔文芸〕
-アクション〔文芸〕
-コメディー〔文芸〕
-VRゲーム〔SF〕
-宇宙〔SF〕
-空想科学〔SF〕
-パニック〔SF〕
-童話〔その他〕
-詩〔その他〕
-エッセイ〔その他〕
-その他〔その他〕
要するに、
- 『異世界転生/転移』作品によるランキングがある(その中でのジャンル分けは3種類と大雑把)。
- 非「異世界転生/転移」作品による『ジャンル別』ランキングがある(その中でのジャンル分けが19種類と細かい)。
- 「異世界転生/転移」作品と非「異世界転生/転移」作品ごちゃまぜの『総合』ランキングがある(その中でのジャンル分けは無し)。
という感じです。
総合(1種類)、異世界転生/転移(3種類)、ジャンル別(19種類)で、合計23種類。
つまりこの23種類の中で、読みたい系統のランキング上位を見ればいいのです。
……と言いたいところなのですが、もう一つ注意点がありまして、この23種類に対して、日間/週間/月間/四半期/年間の、ポイント集計期間ごとのランキングがあります。
あと、『総合』ランキングにのみ、ポイント集計期間を区切らない『累計』ランキングが存在します。
で、結局どこを見ればいいのかですが。
23種類のうち、自分が興味あるジャンルの、年間か四半期のランキング上位の作品を覗いてみると良いでしょう。(どちらかというとやっぱ年間の方がいいかなあ)
日間/週間/月間のランキングは、日間に近くなるほどいろいろと魔境なので、少なくともこの記事を参考にしようとしている人は見なくて良いと思います。
なら累計ランキングはどうなんだろうと思うかもしれませんが、あれも若干魔境のきらいがないでもないといいますか……上位は多数の評価を得ている作品群なのは間違いないのですが、しかし初心者が適当に上位の作品を覗くみたいなのだと、結構残念なことになる可能性が高いと思われます。
このあたり、合う作品を見つけにくいだろうみたいなのより、合わない作品に当たった時の受け流し方とか慣れてないんじゃないかな……という心配が強いです。
なので、全然合わない作品に当たりまくるくらい気にしないというのであれば、累計ランキングを見てみるのもありかもしれません。
そもそもランキング上位作品自体、特定期間で高ポイントを得たというだけなので、個人々々で合わない作品なんていくらでも当たります。
ランキング上位だろうが何だろうが合わない作品なんていくらでもある、というか合う作品の方が少ない、という認識でいた方が良いです。
当たり前といえば当たり前のことかもしれません。
なんか若干ボロクソに言ってるっぽいですが、そもそもランキングを見て自力で探すっていうの自体、あまり初心者向けじゃないと思っているためです。
一応初心者向けと銘打って、なろう小説探す方法をオススメ順に並べるよって言ってるこの記事で、三番目に紹介している方法だということです。
ただ、他人に聞くのではなく、あくまで自力で探してみたいというのであれば、たぶんこれが一番いいです。
小説家になろうの検索ページで自力で検索する
普通の検索ページと、詳細検索ページがあります。
なんかそれっぽい言葉で適当に検索してもよいのですが、実は小説家になろうには、公式キーワード/おすすめキーワードなるものがあります。
まあ要するに、投稿されてる作品によくあるような要素を運営側でキーワード化したので、読者は検索に役立ててねみたいな感じのものです。(作者側も積極的にこれらのキーワードを設定して損は無いと思われます)
詳細検索ページの方では、検索キーワードや除外キーワードの指定の際に、公式/おすすめキーワードを一覧できるので、自力で検索する場合は利用した方が便利と思います。
小説家になろうユーザのブックマークを見る
なろうユーザというか、実質、『好きな作品の作者のブックマークを見る』になります。
昔で言うところの、お気に入りのサイトのリンク集を辿るみたいな感じです。
初心者向けではありませんが、たまにやってみるとけっこう積みなろうが増えたりします。ニッチな作品を書いてる作者のブクマは参考になりやすいです。
なろう小説の読み方
読み方も何も普通に読めばいいじゃんと思うかもしれませんが、書籍ラノベ(書籍小説と言うべきな気もしないでもないけど、読者層的にとりあえずラノベで)と異なる要素、読む側としての感覚の違いみたいなものについてつらつら書きます。
なろう小説と書籍ラノベについて、いろいろざっくりした特徴付けや比較っぽいものが入ります。
それぞれここに書くことに当てはまらないものが多数あるのはたぶんそこそこわかっていますが、まあざっくりなので……。
なろう小説の特徴
『作品の更新の速さ』
書籍ラノベが、厚みの違いこそあれ基本的に『一冊』という単位で提供されるのに対して、なろう小説はより小刻みな連載という形で掲載されます。
この小刻みさ、ちまちま読めるというのがシンプルでありながら大きな違いで、たとえば何か書籍ラノベを読み終えて、「面白かった、続きが気になるし早く読みたい」とか思った時に、それに対する返答は早くて数か月後なんですよね。
対してなろう小説だと、もちろん作品によってピンキリですが、一週間後、数日後、あるいは明日にはなど、より早いレスポンスが可能になります。
このような「続きが読みたい」という気持ちに応じる、『作品の更新』の速度、というのが、web連載の特徴であり、強みの一つと考えています。
もちろんこれ以外にもいろいろ強みはありますが、私が強く見出してるのはこれです(なので、このブログの紹介記事でも更新ペースにだいたい言及しています)。
運が良ければ、それこそ『毎日の楽しみ』みたいな作品にも出会えます。
そういった、短い間隔でちまちま、という読書ペースに対応させやすい、そのペースで楽しみやすいというのが、なろう小説の特徴の一つと思います。
もちろん、毎日更新みたいなすごい連載ペースを保ててるのはごくごく一部の作者だけです。
ただ、そこまですごいペースでなくとも、全体的に『作品の更新』が速いというのは確かだと思います。
でもそれってあくまで更新の早さであって、平均的な分量として比較すれば書籍の方が上なのでは? と思われるかもしれません。
たとえば、3カ月に1冊13万字の書籍として出る作品と、毎日更新で1回あたり1000字(≒3カ月で9万字)だと前者の方が時間あたりの連載量として多くなりますね。
この辺の疑問に関してはもっともなのですが、ぶっちゃけこれってなろう小説側も書籍ラノベ側も作品ごとにピンキリなのでなんとも言えないです。
ただまあ少なくとも、時間あたりの連載量に関しては、『全体的に』どちらかが圧倒的に勝っている、劣っているみたいな状態ではないように思います。つまり作品それぞれの問題です。
なろうだろうと書籍だろうと、更新ペースや時間あたりの連載量が──もちろん他の要素もひっくるめてですが──好みな作品を読めばいいというだけなのです。
『内容のまとめ方』
これは「なろう小説の特徴は〇〇」というより、「書籍ラノベの特徴は〇〇、そしてなろう小説にそれは無い」みたいな言い方になるのですが。
先述したとおり、書籍ラノベは基本的に一冊という単位で提供、すなわち『作品が更新』されます。
そうすると、たとえ続き物のラノベであっても、一冊の中である程度話をまとめるなり区切りをつけるなりする──基本的にはそういう意識をある程度持った上で、その一冊に収める話を作者さんは考えているのではないか、と思うわけです。
でまあ、一冊に収まる文字数って、わりと限られてるわけじゃないですか。
たとえばそれを10~15万字とすると、書籍ラノベは、最初から10~15万字で収める話を考える、という形になりやすいと推測できるかなと。
対してなろう小説では、そういう意識は──少なくとも全体的には、書籍ラノベより低いと思うわけです。
素人が好きに書いていたらなんか書籍化の誘いが来たので乗ってみた、みたいな作品も多数あるはずです。*1
そういった作品をいざ書籍化する際に、10~15万字のどこかで綺麗な感じに内容がまとまってるとは、もちろん限らないわけです。
そしてこの辺の話は、なろう小説を書籍化する時にだけ関わってくるわけではありません。
そもそも『一冊』という『話を区切りやすい分量』があらかじめ設定されている書籍ラノベに対し、なろう小説には、作者自身が意識しない限り、そのようなものはありません。
話を区切るにしても、それまでに30万字が必要だったり、あるいはそれ以上だったり……ということが、普段の連載から起こりえます。
個人的にはこの辺は、どちらが良いとかではなく、合う合わないの問題に近いと感じています。
とはいえ、区切りポイントが無いというのは、油断すると話が無駄に間延びしたり、区切りもなかなかつかなかったり、内容が必ずしもまとまらなかったり……みたいな事態を引き起こしやすくなる面があると思われます。
特定文字数で話を区切るようにしようという意識は、単純に考えるなら枷なのですが、同時に、作者読者双方にとっての補助輪でもありそう、みたいな感じです。
まあそんな感じで、たぶんこんな特徴があるような気がするよねという話でした。
実際の読み方、読む姿勢
※これはあくまで私の読み方です。
……で、そんななろう小説をどんな姿勢で読むのかって話ですが、一言でいうと、わりと雑でいいです。
軽い気持ちで消費していい、と言っても良いかもしれません。なんといっても無料だしね!
なのでそれこそ、試し読みみたいな感覚でいいのです。そしてこの試し読みは、やろうと思えば、自分がその作品が面白いかどうかの判定を下すまで続けられます(連載が続いていれば)。
面白いと思う頃には、いつのまにか試し読みがガチ読みになっているでしょう。
面白くないと思ったなら、素直に読むのをやめればよいのです。
いくらか読んだけど面白いのかどうかよくわからんとかいう場合でも、こう言っちゃなんですが、お金を払って買うという工程を挟んでいない分、撤退しやすいのではないかと思います。
(書籍ラノベ買ってきて80ページくらい読んで「これそんな面白くないかも……」とか思っても撤退しにくい……しにくくない?)
文章の読み方なんかに関しても、なんか読んでてダルいなとかよくわからんなとか思ったら、なんとなくわかった気になってよくわからん部分は読み流すとかでも全然オッケーだと思います。
それがあんまり続くようだとさすがにその作品は読まなくなりますが、まあそれはそれです。
ほんとにそんな流し読みなんかで面白いの? と思うかもしれませんが。
個人的には、「よくわからん部分を適度に読み飛ばしてもなんか内容はわかるし、それでいて面白い部分は十分に面白くちゃんと読ませてくる、結果としては作品そのものを読むのをやめる気にはならない」みたいなのも強い作品の一タイプだと思っています。
そもそもすべての読者がすべての文章をきちんと理解しながら読んでるわけはないのだから、読み飛ばす人でも読み続けられるタイプの作品の方が、対象読者の範囲が広いと言えるんじゃないか、みたいな。
まあそんな感じで、全体的に、気軽に適当に、です。
読んだらブクマとか評価とかしてあげて
ちょっと話は変わるのですが、いざなろう小説を読むにあたって、とりあえずなろうのユーザ登録をしてみてほしいのです。
ユーザ登録をすると、以下のことができるようになります。
- 作品のブックマーク
これで作品にポイントが入ります。更新通知機能なんかもあります。 - 作品に対する、文章とストーリーそれぞれに対する5点満点評価
これもそのまま作品にポイントとして入ります。 - 作品に感想を書く
これは作品によって「感想書き込み不可/なろうユーザのみ書き込み可/誰でも可」と異なる設定がされているのですが、誰でも可なのは少数派です。 - 作品にレビューを書く
作者に向けた感想とは別に、作品を他の読者向けにおすすめする文章を書くことができます。
読者側のできることとして、このあたりのことをすると作者のエネルギーになるので、できればやってあげてほしいという話です。
とはいえ、感想やレビューといった文章は、なかなか書くのにエネルギーを使うでしょう。
そこで、まずはブクマや評価です。この辺はなろうのユーザ登録さえしてあれば数クリックポチポチするだけなので楽です。
ブクマは、各作品のページの一番上の部分にクリックするところがあります。
そして評価は、これちょっとわかりにくいんですが、各作品の最新話の一番下の部分に、評価する場所があります。
ついでに書籍化作品なら、書籍やコミカライズを買ってみるという形でも応援できます。
挿絵がついててキャラクターのイメージがしやすくなるのはもちろん、ちまちま加筆されてたり改稿されてたりみたいなことがあります。この辺は作品次第です。
無料で読めるというのが特徴な場ではありますが、読者側からも多少の手間やお金で返せるところは返すことで、結果的には双方幸せになりやすいかなと思います。
ひとまずはほんの少しの手間で済むブクマや評価からでもやってみていただければ幸いです。
ぜひともよろしくお願いします。
おまけ:なろう出身の書籍化作品の一巻を読み漁ることについて
冒頭で引用したツイートの内容に関して。
この記事の、内容のまとめ方の部分を読んでもらえればなんとなくわかるかもしれませんが、なろう小説は最初のweb連載の時点で『一冊』という単位にまとめることを想定せず書かれてるものが大量にあります。
もちろん、書籍化に際してそこらへんをケアしようとしてる作品もあるにはあるでしょうが、それでも元が元のため、書籍ラノベに比べると、「一巻を読んだけど、なんか話がまとまってない気がする」みたいなケースは多いのではないかと思われます。
……あとはまあ、書籍化される作品って≒で高ポイントみたいなところがある*2ので、この記事のランキング関連の話で言ってたあたりになるのですが、ランキング上位作品に対する心構えと似たようなものを持っていた方が良いと思うといいますか、まあそんな感じです。
以上になります。
ここまで読んでいただきありがとうございました。