なろう読み専のメモ帳

小説家になろうのオススメやレビューを書きます

2017年に始まったなろう&ノクターンおすすめ作品

 数百万字のWeb小説とかオススメしても長さ的に尻込みされることが多いのですが、今年始まったやつならそこまででもなかろうみたいな感じで、2017年に始まった枠で紹介します。

 小説家になろうについては説明不要と思います。
 ノクターンノベルスは小説家になろうの18禁描写が解禁されたバージョンみたいなもんです。
 ノクターンので今回紹介するのは、エロいことしかしてないタイプのやつではありませんが、まあそれなりにエロいこともやってる系です。18禁なのでよろしくお願いします。

 詳しいことは知りませんが、だいたい十数万字くらいで文庫一冊分くらいらしいです。
 お正月の時間ある時などにぜひどうぞ。


 目次


アビス・コーリング〜元廃課金ゲーマーが最低最悪のソシャゲ異世界に召喚されたら〜

「ナナシノさ。この世界ってゲームだと思う? 現実だと思う?」
「え……現実だと、思いますけど」
 僕と同じ、現実からの来訪者であるナナシノはさして迷うこともなく答えた。順応性が高すぎるぜ。
(中略)
 この世界はアビス・コーリングを踏襲した世界だ。
 グラフィックは多少綺麗になったが、法則はゲームに則る。ゲームでできたことはこの世界でも可能で、プラスで現実でできることはこの世界でもできる。ゲームと現実、その境目をある程度すり合わせた世界だと言える。

  • ゲームを元にした異世界に転移した系っぽい作品です。強いて言うならコメディ系というか、主人公(たち)のズレっぷりにより、本人たちは大真面目にそれぞれやりたいことをやっているだけだけど読者的には笑えてしまう、シリアスな笑いに近い何かを標準装備しているみたいな……?
  • 作者はわりと独特の読み味(?)を持ってるタイプで、カクヨムのランキング一位にある『誰にでもできる影から助ける魔王討伐』と同じ人でもあるので、そちらを読んでいる人にはなんとなく雰囲気がわかるかもしれません。ちょっとズレてるというかネジが飛んでるというかな感じだけど本人は大真面目な主人公とか。(どちらかというと『誰にでもできる影から助ける魔王討伐』の方が一般向け度高い気はしますが)
  • 元のゲームでのレベルや装備などの資産を持ち込むみたいなタイプではなく、元ゲームの知識で世界をハックする系、感覚としては『この世界がゲームだと俺だけが知っている』(元ゲームのバグ知識、ゲームの仕様を逆手にとっていろいろやってく)あたりに近いタイプかと思います。
  • ただ、アビス・コーリングの場合、「ゲームの仕様を逆手に取る」というのは感覚的にちょっと違っていて、なぜなら、主人公は徹頭徹尾『ゲームをしている』つもりだからです。

「あるじ、あれはただ困っている人だぞ。道案内したり迷子の犬を探したりするだけで魔導石が手に入るわけがないだろ? おひとよしになったのかと思ったぞ」
「は? あれ、人じゃないから」
「…………」
 NPCだから。
 サイレントは何か勘違いしている。名前があるならまだしも、その辺にいくらでもいるNPCに情なんて抱くわけもない。

  • 冒頭の引用の通り、主人公とともにこの世界に転移したヒロインのナナシノちゃんはこの世界のことを現実だと思っている、そのくらいにはちゃんと『人』がいてそこに暮らしている、『現実』的な異世界である──のに対して主人公の反応はこんな感じです。
  • ただ、これも冒頭の引用にある通り、ゲームと現実の境目をすり合わせた世界だというのも確かなようで、むしろ、『この世界はゲームだという主人公の認識にゲームの法則が追い付いてくる』みたいなところがあります。
    例えば、ふと試してみると主人公のズボンのポケットには何でも入るようになっていたりとか。(ゲームではアイテムの保有制限が無かった)
  • そんな舞台で、主人公がガチャ引いて発狂したり、イベントに参加したりと、まあ『ゲームをして』いく感じの話になります。
  • 現時点でおよそ57万字、章ごとに間を置いて連載していくタイプで次が最終章予定、平均的な連載のペースもだいぶ早い作品です。
    • (正直次が最終章予定というのはあまり歓迎しないというか、もっといくらでもいろいろやれそうなのでやってほしいという気持ちはあります)

地味な剣聖はそれでも最強です

 日本の学生だった白黒山水は、神様のミスで死んでしまい、異世界へ転移する。
 最強になりたいということで神様から仙人への紹介状をもらって、そこで五百年間の修行を受けた。
 世間一般基準では十分最強になったあたりで、修行地の近くで赤ちゃんを拾って、そこからようやく彼の異世界冒険は動き出す。
 修行も地味で技も地味、最強だけど地味、何の変哲もない木刀を手に剣聖の戦いが幕を開ける。

  • 実はこれ話も地味なのでどのように紹介すればいいのかすごく悩ましいのですが、作品の魅力としてはその地味さ、言い換えるなら飾らなさ、ひいては元も子もなさ、それらの土台にある理屈っぽさ……あたりなのではないかという気がします。
  • どんな話なのかというのもなかなか説明しにくくて、引用したあらすじからは、最強になったあたりで赤ちゃんを拾って、なんかいろいろ騒動を起こしながらもその子を育てていく……みたいなのを想像するかもしれませんが、実はそうでもないんです。
    • というのも、主人公はひょんなことから大貴族の娘さんの護衛に就職して、しっかりした立場を得て、赤ちゃんの面倒もその貴族によろしくお願いして、そして数年後……って感じに最初の数話でたどり着いてしまうので。
    • そもそも、主人公が動き回って何かをしていくみたいな話ではあまりないんですよね。動き回るも何も主人公は貴族の娘さんの護衛なので。
    • まあ実際読んでいけばなんとなく話が進んでいきますので……。いや面白いんですよ、本当に。
  • 一応、テーマ? 的な部分としては、『最強』というか、『強さ』というものに関して理屈をこねこねしてるところが散見されるのですが、どちらかというとその理屈をこねこねするところ、理屈っぽさこそがこの作品をこの作品たらしめている、この作品の血液のようなものであるように思えます(正確には作者の持ち味なのかもしれませんが、まだほかの作品読んでないので)。
    • 地味さ、飾らなさ、元も子もなさ、理屈っぽさ……という順で上では書きましたが、これどちらかというと逆で、最初に理屈っぽさが来て、理屈をこねくり回した結果いろいろと元も子もない話になったりもして、それを変に飾ったりもしないので、結果的に地味な感じになる……みたいなイメージ(わりと適当に言ってます)。
  • 『天空を掴む者』の章(五番目の章)あたりから面白さに脂が乗りっぱなしです。
    • 個人的な感覚としては一章、三章、四章が普通、二章が若干退屈、五章以降ずっとめっちゃ面白い(七章が最新章)という感じです。
    • 邪道かもしれませんが、『牛探し』の章(六番目の章)は、今のところ作中屈指の派手(!)な章というのもあるので、むしろここを試し読みとしてお勧めしたい気持ちもちょっとあります。前半部分、とある二人の戦いの部分まで。
  • 現時点でおよそ82万字、毎日更新してるので連載を追う楽しみも味わえます。

願わくばこの手に幸福を

救世の旅に同行を続けるルーギス。
その中で彼の役割は、雑用や夜番。
女達からは疎まれ、冷たい視線を与えられる日々。
だが幼馴染のアリュエノの存在だけが、彼をパーティに繋ぎ止めていた。
例え、彼女が救世者と呼ばれる男に心奪われていたとしても。
失意と惰性の日々。
そんな中に訪れた影は告げる。
「貴様に機会を与えてやろう。全てを塗りつぶし、人生という絵画を描き直す機会を!」

  • ずっと好きだった幼馴染が救世者ハーレムの一人になってしまった鬱だ死のう状態からの、あらすじからだと若干わかりにくいかもしれませんが、神様の力で一回だけタイムリープさせてあげるのであとは頑張れ系(?)です。
    • タイムリープの理由付けとして都合よく神様が助けてくれる、というタイプよりかは、まだはっきりはしてませんが、神様の勢力争いの駒にされる系のような感じがします。
  • 今度はちゃんと頑張って胸を張って幼馴染の隣に立てる男になるぞ──みたいな感じのわりと真っ当な志を抱いてやっていこうとしたはずが、なんか一つ歯車を掛け違えてもう一つ掛け違えて、気付いたら、一巡目(と便宜上呼びますね)の世界で救世者ハーレムにいたはずの才能あふれる女の子たちを仲間にしつつ、幼馴染が属する勢力に敵対する勢力の中心人物みたいになってしまっててどうしてこうなったみたいな流れになっていきます。
    • なんかコメディっぽく言ってるように見えるかもしれませんがそうではないです。むしろ逆で、陰鬱というかドロドロした雰囲気が常に漂ってるのが特徴なシリアス度の高い作品です。
    • 結果的に救世者ハーレムの女の子を奪ってるみたいな形になってはいるのですが、別に救世者に復讐したいとかそういう系でもないです。
      どちらかというと恨みとかよりは嫉妬の方が強いです。嫉妬しまくり、自分を卑下しまくりで自信が持てない、それでもすべてを諦めるわけではなく、意地汚く喰らいついていこうみたいな感じ。
    • 主人公の卑屈さ、自信の持てなさは、一巡目の世界で救世者に幼馴染を奪われた(と少なくとも主人公は思いこんでいる。正直被害妄想なのでは感はある)こと、そして幼馴染除く救世者ハーレムの女の子たちにボロクソな扱いを受けていたことなどに端を発しています。
    • 一巡目で救世者ハーレムにいた女の子を、二巡目、つまり本編では、主人公が奪い取っていくというか仲間に加えていくみたいな形に結果的になりまして、女の子側も好意というか依存というかまあそんな感じのなんかを主人公に抱いたりするのですが、その流れで普通にハーレム作る展開になるかというと全然そんなことは無く。
    • そもそも主人公は幼馴染一筋なのに加えて、一巡目で彼女らにゴミ扱いされてきた経験もあって、その子たちが自分に執着してきているということ自体素直に飲み込めないわけです。自分に自信も無いし。
    • そんな主人公に、自分の気持ちを受け取ってもらえない女の子たちはやきもき──を通り越して、病みます。なんか病みます。
    • というかどうも彼女らにはそれぞれ問題みたいなのがあって、精神的に不安定というか、病む素質があるというか、そもそも一巡目で救世主は果たして彼女らの問題を解決できていたのか、実は既に壊れてるのを見た目なんとかなるように応急処置してるだけだったのでは、もしやこれ主人公はヒロインを奪ってるのではなく地雷処理を押し付けられてる構図なのでは??? とか思わなくもないのですが、それはさておき。
    • なんかそんな感じで、病みヒロインが見所な部分は実際あります。
  • どうしてこうなった状態、すなわち主人公自身が舵をとりきれていないタイプの話なので、全体像としてこういう話だよというのは若干説明しにくいところがあるのですが、まああまり気にしないでください。というかたぶん神様の勢力争いに巻き込まれてるってのが全体像といえば全体像なんだけど、まだはっきりしないので。
    一応主人公としては幼馴染に相応しい男になるべく名を馳せるっていうシンプルな目標があったはずだったんだ……。
  • 現時点で52万字、ほぼほぼ毎日更新なのでやはり連載を追う楽しみがあります。

はぐるまどらいぶ。

アンティ・キティラ。私、魔無しです。
15歳まで、
魔法を覚えられない子供たちは、
神様に能力をもらいにいきます。
ちょっと教会まで。
私もその1人だったんですが……。

きゅいいいいいいん。
うわぁぁぁぁぁん、お母さぁぁぁん!!!!!

アンティの、アンティだけの冒険が、
いま、はじまる!?

  • 魔法(まほう)ならぬ歯車法(はぐるまほう)を得た女の子主人公が、夢だった冒険者になって活躍していく系の話。面白いというよりは強いと形容したい感じの作品です。
  • なろう系作品っぽい要素はあれど、話としてはジャンプとかの週刊少年漫画誌にありそうなタイプのやつです。
  • 数百枚単位の挿絵、背景色も変えたりオノマトペ多用したりあまり詳しく説明せず勢いで流してく場面も多々あったりそもそも文章自体あまり飾ろうとしていなかったりと、嫌う人はめっちゃ嫌いそうなタイプの作品なのですが、そこらへん気にしない人にとっては、いろいろ面白い手法を体験できるかもしれません。
  • というか、作者自身が挿絵描きまくれるってのが強すぎるんですよね……本当に圧倒的アドバンテージすぎると実感させられて腰が抜けます。
  • 全体的に、漫画に近い感覚で作られてる作品という印象があります。
    文章を読ませようとしてるというより、文章から読者それぞれがイメージする画を見せにきてるというか、文章を含めた画面そのものを見せにきてるというか、文章そのものというよりその流れを見せにきてるというか……そう、『読ませ』にきてるというより『見せ』にきてる成分が、一般的な小説よりも非常に高いです。
    • (ぶっちゃけこれ漫画でやった方がいいのでは?)
    • (正直漫画で見たいと思うこともわりとあるというか、感覚的には漫画を小説形式に変換しているように感じられる部分が多々あるんだけど、小説オンリーな感じの表現もわりとあったり、これ普通の漫画だと話の進みが小説の1/10とかになりそうで、一概には言いにくい)
    • (速さは大事です。ただちょっと前まで勢い任せすぎて逆に勢いを感じない展開だったりもしたので、いろいろ難しいなと)
    • (そのあたり良いところも悪いところも混ぜ込んだハイブリッド形式の作品と言えるかもしれません)
  • 現時点で108万字、更新ペースについて作者が具体的に表明しているわけではありませんが、平均的なペースとしてはほぼほぼ毎日更新です。

 この先ノクターン作品です。


抜け駆けして申し訳ありません。だけど僕はエロい日々を送ることにしました。

僕は、男ばかりの「文化人類研究部」に所属する高校二年生だ。そんな部活に美少女転校生・来栖美亜が入部してきた。見た目完璧、性格完璧な来栖。もちろん部活の男たちは来栖にゾッコンだ。どうにかお近づきになろうと必死になっていた。ひょんなことから僕は抜け駆けして来栖とお近づきになる。それからというもの、僕にはめくるめくエロい日々が待っていた。

  • キーワードは「コメディ 男主人公 学園 制服 現代 ハーレム 日常 青春 純愛 女子中学生 美少女 幼馴染 人妻 女子高生 ご都合主義」
    要するに現代高校生ハーレム系エロです。
  • 印象としてはギャルゲというかエロゲっぽい……と言ってもちょっと広範囲すぎるので別の例えをすると、週刊少年ジャンプにあるような複数ヒロインラブコメで、エロとハーレムと、ヒロインがハーレムを受け入れてくれるご都合展開を解禁したみたいな感じ。
    • でも書いててふと思ったけど、マガジンとかだと、詳細な描写こそそんなしてないかもだけどセックス自体はわりと普通にしてたりしますね……。
    • いやでも、「マガジンのラブコメでハーレム解禁したやつ」よりかは「ジャンプのラブコメでエロとハーレム解禁したやつ」の方が感覚的には近いかなと。(全体的にマガジンの方がセックスやってる気味だよねという話であって、ジャンプでもやってる作品はあるというのはわかってます)
  • 年間ランキング現在六位の人気作品で、学園ラブコメというよりかは青春ラブコメとしてのスタンダードな話運び、文章も標準レベルをキープ、女の子はちゃんとカワイイ、連載ペースも比較的安定していてかつ早め、量もちゃんとあると、人気出る要素を兼ね備えた安定性のある作品と言えると思います。
    • ノクターンではほぼほぼ毎話エロをやっているみたいな作品もそれほど珍しくはなく、それに比べるならばこの作品はそこまで毎話やってるわけでもない、とは言えほとんどの話が非エロで18禁描写はたまーにあるくらいみたいなタイプと比べると全然エロしまくってる、10段階で言うなら6から7くらいのエロ描写密度という感じがします(伝わらないかもしれない)。
    • エロ作品ならエロやってなんぼとは思うのですが、エロだけになりすぎないからこそのエロさみたいなのもあると思ってまして、この作品はそこらへんちょうどよく感じます。
    • マガジンとジャンプを対比して語ってるのはそこらへんが関わってまして、個人的な感覚として、どちらかというとこれは漫画の話なのですが、非エロで普段描いてる人がたまに描くエロには、エロ専業で描いてる人のエロには無い不思議なエロさがあると感じてるんですよね。
    • エロがゲシュタルト崩壊してきた。
    • なんかそこらへんがあって、『ジャンプのラブコメでエロとハーレム解禁したやつ』には不思議なエロさが宿ってる気がしてるんですよ。……みたいな気持ちで読んでいます。なんか語りましたがそんな感じです。
  • 現時点で約50万字、毎日絶対更新というわけではなくちょこちょこ穴抜けがあったりたまにしばらく休載したりもしますが、連載開始から8カ月で50万字なので、普通に速いペースです。

ハイスクールハックアンドスラッシュ

[HIGH!] SCHOOL HACK&SLASH・文章スタイル[一人称+三人称ザッピング]
少しばかり歪んだ幼年期をすごし、少しばかり歪んだ少年は、少しばかり普通ではない学園へと入学する。
一般社会から隔離された豊葦原学園は、その地下にダンジョンを有する常識から逸脱した学園だった。
強者が優遇され、弱者は尊厳を踏みにじられる。
ゲームのような法則に支配されるダンジョンは、現実世界にも影響を及ぼしていた……。
レベルアップ、クラスチェンジ、スキル、モンスター。
強姦、輪姦、奴隷契約、倶楽部室という名の乱交場、校則で認められた権利を咎める者はいない。
色欲に溺れて堕落するも、魂を鍛え上げて己を貫くも自由。
立ち塞がるものは切り裂き、叩き伏せろ!
全てはダンジョンを攻略する為に!

  • 今回の記事のイチ押し、もっと評価されてほしい度が一番高い作品です。
    • この記事ではなろうとノクタ合わせて七作品紹介しているのですが、作品の面白さと、現時点でのポイントやランキングでの評価の落差が一番大きいと思っている、という意味です。
    • その落差という意味でもっと評価されてほしい度ダントツなのがこれ、二番目は次に紹介するやつ、そこから間を空けて他の五つという感じになります。
  • 一応分類としてはローファンタジーになるのでしょうか。
    だいたいあらすじの通り、わりと世紀末な感じに風紀が乱れている学園で、主人公と仲間たちがエロいことしながらダンジョン攻略していくみたいな感じです。
  • ゲームのような法則に支配されるダンジョン、レベルアップ、クラスチェンジ、スキル……ついでに主人公はひょんなことからチートスキルを得たり、ハーレム的な感じに多数の女の子とエロいことしたりします。
    • こうやってキーワード並べるとわかる通り、結構テンプレを踏襲したダンジョン攻略ものです。
    • そして個人的に、テンプレというのは基本的には面白いからこそテンプレ化する、すなわち『ちゃんとやれればだいたい面白い』ものだと思っています。
      そしてこの作品は『ちゃんとやっている』部類であるとも。
  • 作者の割烹によると、本作のスタイルは基本的には主人公たちがまったり無双ライフ、たまに熱闘パートやギャグパートもあったりするよみたいな感じらしいです。
    • そして自分の認識としては、この作品は、何かすごい特徴がある、ここがすごい! ってよりは、基本的な部分がそれぞれしっかりできていてそこがよいというタイプの方が近いです。
    • 例えばまったり無双ライフ部分、主人公たちはひっそりぐんぐん成長していくわけですが、ゲームのような法則が導入されている世界観だと特に、主人公パーティーの成長を見守る楽しさというのがあります。
    • パーティーメンバーの勧誘及び育成、レベルアップやクラスチェンジ、スキル習得による各種役割を持ったメンバーの成長、装備等を作成、メンテするバックアップメンバーの確保、クラン的なグループの作成……等々。
      そういう基本的な部分を楽しませてくれる力のある作品だと思います。
  • エロ部分について。女の子はばっちりカワイイ感じです。エロの密度は10段階で言うなら7ちょいくらい? だいたい毎話あるというか、非エロパートとエロパートが毎話それなりずつある感じ。平均的には7:3くらいで非エロの方が多め……だと思う、たぶん。
    • 一応注意というか、あらすじやタグからもわかると思いますが、ラブラブなエッチのみではないです。むしろそれ以外もわりとあります。
    • まあそれだけならあらすじとタグからわかるので特に注意などしないのですが、主人公パーティーの子も主人公パーティーに加わるまでは結構かわいそうな目に遭ってたりというのがあるので、そういうの無理という人はきついかもしれません。主人公パーティに加わってからはほんわかしてるんですけどね。
  • あと主人公のキャラがだいぶずるい……もちろん褒めてます。

 正直なところ、不安で心細かった学生寮の生活も、順調な滑り出しであったと思う。
 特に同室の誠一、彼はとても良い奴だった。
 名字ではなく名前で呼び合うとか、もはや友人、いや親友と言っても良いのじゃないだろうか。
 というか、この学園には変なローカルルールがあるらしく、基本的に名字を名乗ってはならない。
 これは学園の中では生まれや立場に捕らわれることなく、個人として自立を促すという教育理念であるそうだ。
 『真名』を知られるのは危険だからとか注意書きがパンフレットに書いてあったが、意味不明である。
 極自然に親しさを演出できると考えれば素敵なルールとも言える。
 これが中学とは違う、大人の付き合いなのだろうな。

  • ちょっとずれてる勘違い誘発系(わりといい人なんだけどパーティーメンバー以外にはめちゃくちゃ恐れられてる、なお自業自得)の天然という感じで、それ絡みでひょいひょい飛んでくる謎の笑いにやられます。

「な、なに? どうしてそんなに怒ってるの? わ、私をレイプしたいの?」
「遺憾すぎる」
 最近レイプという単語を良く聞くが、女の子が気軽に口にしていい言葉じゃないと思われる。
 誤解されているようなので、微笑みを浮かべて警戒心を和らげてみる。
「ひっ……わ、私に手を出したら、『匠工房』のみんなが黙ってないんだからねっ」

  • 主人公若干不憫な感なきにしもあらずだけどカワイイ女の子に囲まれてるし仕方ないね。
  • 現時点で32万字。
    この記事で紹介している他の作品は2017年の春から夏あたりで連載開始しているのですが、この作品は10月の末開始と、かなり最近です。
    更新ペースを作者が明言したわけではありませんが、今のところだいたい二日に一回更新で安定しています。

惚れ症のハーフエルフさん

 何でも治る奇跡の霊泉の町ポルカ
 思い出の中の故郷には、懐かしい両親と湯煙と、自分の雌奴隷になると誓ってくれたハーフエルフの少女の姿があった。
 そんな思い出話を酒を飲むたびに繰り返す、元鍛冶屋見習いのしがないクロスボウ兵アンディ・スマイソン25歳。
 気のいい仲間や有能でセクシーな上司に囲まれ、子供の頃思っていたのとは違うけれど、これはこれで居心地のいい生活をしていたアンディは、しかし思い出の中のハーフエルフが目の前に現れたことで激動の運命に飛び込んでいくことになる。
 喧嘩は弱いが勇気と機転のあるアンディは、エルフにハーフエルフにダークエルフ、ロリドワーフ、ドラゴン変身体、獣人娘などなど、次から次へとたくさんの異種族美女に出会っては雌奴隷にしていく。
 一度好きになったら止まらないハーフエルフの少女から始まったエッチな冒険は、やがて伝説になっていく──。

  • 別所で10年ほど前から連載されているやつをノクターンに転載してきている作品で、主旨的にこの記事で紹介するのは若干どうなのか感あるけど気にしない。
  • 最初は一人の女の子とイチャイチャしていただけ、しかしそのうちに何故だか女の子がちょいちょい集まってきていつのまにかハーレムみたいな感じになっていってさらにいつのまにか各方面優秀な女の子たちと一緒になんかすごい感じのことを成したりもしてしまっていた系の話です。
  • 成したりもしてしまっていた系の話って何系だよそんなのあるのかよと思われるかもしれませんが、ハーレムの女の子たちが何かしら才能があったり優秀だったり高い立場にいたりして、ハーレム自体がなんかスゴイ子たちの集団みたいな感じになっていって、スゴイ子によるハーレムに(主人公の魅力だけではなくハーレム集団の持っている様々な強みにも引かれて)さらにいろんな子たちが雪だるま式に参加して……みたいなのはたまに見る気がします。
    • ただ、この手のことを説得力見せつつやるにはとかく文章の量が必要なので、やろうとしてひょいとできるようなものではなかなかないと思います。文章量はパワーです。
    • なのでその手のことをやれている作品というのはわりとレアで、つまり本作は、シンプルながら難しい、珍しいことをやれている作品と考えて良いと思います。
  • エロいことも相当してるはずなんだけどエロいこと以外をしてる部分もかなり多くて、全体的に見るとエロ密度10段階で5弱くらいに感じるかも……?
  • エロ以外ではどんなことをしてるのかというと、まず前提として主人公は軍人なのですが、上司(もちろん女性、めっちゃ強くてすごい、内外から一目置かれまくってる)の指揮下で、主にハーレム員と一緒にあちこち移動しつつ特殊な任務に就いていることが多いんですね。
    • その設定ハーレムエロ小説として都合よすぎと思うかもしれませんが、都合よくなるように上司さんが根回しした結果です。
    • そもそもあちこち移動というのも、転移魔法みたいなのは一般には無いファンタジー世界が舞台なので、ハーレム内のドラゴンの子の運搬によって空を行くという、作中世界においてほぼほぼ最上級かつ、主人公ハーレム以外ではほとんど望めない移動手段によるものです。
    • あくまで大枠の一つ、作品内のある時期における主人公の立ち位置の一つです。長編作品ですし、ずっと特殊任務云々でというわけでもありません。
  • そんなこんなであちこちを行き来しつつ、それぞれの地での文化や人々のありようがちょくちょく描かれたりもしたり、新しい女の子が出たり、エロいことしたり、何か任務に従事したり、果たさなければならないことを果たしたり、新しい女の子が出たり、エロいことをしたりする作品です。
  • あと女の子カワイイ系作品における強いポイントとして、設定集の人物紹介に、作者が以前貰ったというファンアートが載せられていて、ヒロインの大多数に対して視覚イメージの一助になります。これは強いです。個人的にはアイリーナが最強だと思います。
  • ノクターン連載は現時点で150万字、毎日更新しています。
    ちょっとググれば続きを読めたりもして、正確には計っていませんがだいたい現時点ででテキスト8MBくらい、おおむね400万字? あるはずなので、残り250万字分くらい、少なくともあと1年以上くらいは毎日更新が途絶えることは無いと思われます(作者さんが予約投稿を忘れなければ)。
    連載を追うという楽しみが約束されるということでもあるので、やはり更新が安定しているというのは良いものです。

 とりあえず以上になります。
 それぞれ面白いので興味があればぜひ読んでみてください。